近年、地球温暖化の深刻化に対応するため、住宅業界ではZEH住宅の普及が進行中です。2022年には省エネ基準が改定され、2050年のカーボンニュートラル宣言など脱炭素への取り組みも進んでいます。住宅のエコロジー化は資源保護や温暖化対策から必要で、省エネ性向上が重要です。
注文住宅でもデザインと共に設備や性能を考慮し、太陽光発電や熱交換気システム、断熱性や気密性の向上を図ることが推奨されます。これにより、ランニングコストの削減や安全で快適な居住環境の実現が期待されています。
目次
加速する住宅のエコロジー化に向けた動き
近年、深刻化している地球温暖化ですが、住宅業界でもZEH住宅の推進を通して省エネ活動が行われています。今後、愛知で注文住宅を検討している方や注文住宅に興味がある方は、ZEH住宅について知っておくとマイホームを建てる際に役立ちます。
省エネ基準とは
住宅の省エネ基準は外皮性能・一次エネルギー消費量の2つを指標に、建築物省エネ法で決められた基準です。この基準は時代に合わせて随時改定され、最近では2022年に改定されています。
外皮性能とは、屋根・外壁・天井などの外皮の断熱性を表す数値(UA値)です。一次エネルギーは冷暖房・照明・家電など消費するエネルギーを熱換算したものをいいます。
エコロジー化が進む背景
地球温暖化が進んでいる中、温暖化対策のひとつとして脱炭素が進められており、日本でも2050年カーボンニュートラル宣言を発表するなど、温室効果ガスの排出量ゼロを目指す取り組みです。住宅などの建築物の消費するエネルギーは、排出量全体を上回ってしまいます。
2025年以降は省エネ住宅への動きがますます加速
脱炭素が進んでいるのは住宅業界も例外ではありません。2025年4月1日からすべての新築住宅や非住宅を対象に省エネ基準適合の義務化が決定しており、ますます脱炭素の動きが加速しています。
また、2030年には、2025年の省エネ基準をさらにZEH水準へ引き上げることを掲げており、適合義務化や太陽光発電設備の設置推進など今後省エネへの動きが加速する見込みです。
住宅のエコロジー化は何故必要?エコを目指す上でのポイント
日々の生活の中でも省エネが謳われています。しかし、何故省エネが必要なのか、知らない方も多いです。これを機会に省エネの必要性を理解しておくと、ZEH住宅への理解がさらに深まります。
住宅のエコロジー化が必要な理由
エコロジー化が必要な理由としては、電気・ガス・ガソリン・灯油など我々の生活に欠かせない資源は有限だからです。石炭や石油はこれまでにたくさん採掘されてきたことで近いうち枯渇するのでは、といった懸念する声も増えています。
そのため、資源を保つためにも省エネ対策は必須です。エネルギーを有効活用することでCO2を減らし、同時に資源の使いすぎを防いで温暖化抑制にもつなげています。
重要なのは省エネ性
エコには、エコノミーとエコロジーの2種類がありますが、最近特に重要視されているのがエコロジーの方です。近年、電気料金が年々高騰していることから省エネ性は特に重視されています。
省エネ性を向上させるには、住宅の設備・性能両方が必要です。特に建物の断熱性や気密性は、涼しいまたは暖かい室内の空気を外に逃さない効果があるため、消費する電力を削減でき省エネにつながります。
また、風通しや温度調整も省エネでは大事な要素です。現在では温度を調整できる内装材もあり、省エネ住宅に用いられることもあります。
注文住宅は設備・性能を重視しよう
注文住宅はデザインも大切ですが、快適に過ごすには設備や性能面が重要です。省エネ効果が期待できる設備や省エネ性能の水準について理解しておきましょう。
省エネ効果を上げる設備
省エネ効果を上げる設備には、太陽光発電システム、熱交換気システム、蓄電池などがあります。
太陽光発電システムは、太陽光のエネルギーで電気をつくり、化石燃料などの資源を使用しません。そのため、化石燃料や温室効果ガスの排出量を削減できるため、地球温暖化防止にもなります。
熱交換気システムは、外気温を調整できるため冷暖房の消費エネルギーのロスを抑えてくれるため電気代の節約にもつながります。
蓄電池は、太陽光発電システムでつくって電気を貯蔵できるのが特徴です。
省エネ効果を左右する性能
省エネ効果を左右する要素として断熱・気密・日射遮蔽の3つが挙げられます。
断熱性が高い住宅は、室外の熱や冷気が入りにくいため室内の温度を保てるのが特徴です。そのため、夏は涼しく冬は暖かい空間を実現できます。
室内の温度を保つためには断熱性だけでなく、気密性も重要です。気密性が高い住宅は部材同士の隙間がなく、空気が流れないようにします。ただし、気密性ばかり高くなると換気が不十分になってしまうため、注意が必要です。
日射遮蔽性能がよい住宅は、室内の温度上昇を防げるため少量のエネルギーで冷房を使用できます。そのため、電気代を削減できるのが魅力です。
省エネ性能を評価する基準
省エネ住宅の基準はUA値(外皮性能)・ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)・一次エネルギーの削減率により評価されます。UA値(外皮性能)・ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)は全国8つに区分しており、数値も地域ごとに異なるため自分の地域の数値を確認しておくのが大切です。
一次エネルギー消費量基準は冷暖房・換気・給湯・照明が対象で、エネルギーの削減率で評価されており、ZEH基準では20%以上の削減が求められています。
また、省エネ住宅を選ぶ際は住宅性能表示制度・窓の性能表示制度を利用すると、省エネ住宅を見極める材料のひとつです。
省エネ住宅はメリットが豊富
省エネ住宅はメリットがたくさんあります。これを機会に省エネ住宅も視野に入れてみるのもよいかもしれません。メリットを知っておくと、いざというとき安心です。
ランニングコストが低い
通常の住宅は、外気が室内に流れてしまい、せっかく冷暖房を付けても室温が下がってしまいます。しかし、高断熱・高気密の住宅は、室内の熱・冷気を逃さず保たれるため、冷暖房の効率がよく消費電力の削減が可能です。そのため、ランニングコストも削減できます。
安全・快適な暮らしを実現
省エネ住宅のような高断熱・高気密の住宅は、ヒートショックのリスク低減や結露・カビの発生を防止できるのが魅力です。
近年、ヒートショックによる死亡する事故が多発しています。そこで省エネ住宅は、部屋の温度差をなくすため天井から床に断熱施工を行い、窓・サッシも二重構造や断熱性の高いものを採用し、ヒートショックのリスク低減を実現しています。
また、断熱性の高い窓やドアは熱を通しにくいため、窓・ドアが冷えにくく結露やカビ発生を防げるのも省エネ住宅のメリットのひとつです。
近年、地球温暖化の深刻化に対応するため、住宅業界でZEH住宅の推進が進んでいます。住宅の省エネ基準は外皮性能と一次エネルギー消費量で定められ、2022年に改定されました。2050年のカーボンニュートラル宣言など、脱炭素の取り組みも進行中で、2025年以降は新築住宅や非住宅で省エネ基準適合が義務化され、2030年には更なるZEH水準の推進が予定されています。
住宅のエコロジー化の必要性は、有限な資源の枯渇や温暖化対策の観点から明らかです。省エネはCO2削減や資源保護につながり、エコロジーの重要性が増しています。住宅においては、断熱性や気密性の向上、風通しや温度調整の工夫が重要で、省エネ性を高めることがエコな生活に貢献します。
注文住宅では、デザインだけでなく、設備や性能も考慮すべきです。省エネ設備として太陽光発電システムや熱交換気システム、蓄電池が挙げられます。また、断熱性・気密性・日射遮蔽性能が重要で、UA値や一次エネルギー消費量基準で評価されます。
省エネ住宅には多くのメリットがあります。高断熱・高気密の住宅は、冷暖房の効率が良くなり、ランニングコストを抑えられます。また、ヒートショックや結露・カビのリスクを低減し、安全で快適な暮らしを実現します。
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