エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かす省エネ型給湯器で、環境に優しく光熱費を削減できます。フルオート、オート、給湯専用の3タイプがあり、それぞれ機能と価格が異なります。夜間電力の利用や災害時の水利用も特徴です。設置には補助金が受けられる場合があります。
目次
エコキュートとは?オール電化には必須の設備
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かす省エネ型給湯器で、環境配慮型として注目されています。フルオートタイプは全自動で高性能ですが高価、オートタイプは一部自動でコストパフォーマンスが良好、給湯専用タイプは全て手動で最も安価です。
◇エコキュートとは
近年、自宅の給湯設備としてエコキュートを選ぶ人が増えています。特に注文住宅を建てる際には、エコキュートを選択肢に加える方が多いです。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす電気給湯器です。この設備にはヒートポンプ技術が使用されており、空気中の熱を集めた二酸化炭素を圧縮して高温にし、お湯を沸かす仕組みになっています。環境に配慮し、エコ志向の給湯器として注目されています。
エコキュートで作られた熱湯は、電気ではなく断熱材で保温されるため、省エネ効果も高いです。環境への配慮が求められる現代において、エコキュートは非常に注目されています。
◇エコキュートのタイプ
フルオートタイプのエコキュートは、エコキュートの中で最も高性能なモデルです。お湯張り、足し湯、追い焚きのすべてを自動で行ってくれるため、非常に便利です。さらに、あらかじめ設定した湯の温度や量を保つために、温度が下がったり湯量が減少したりすると、自動的に調整してくれます。
このタイプは、浴槽の湯を一定に保つのに役立ちますが、高性能な分、他のタイプよりも購入費用が高くなることが多いです。
一方、オートタイプはフルオートタイプと給湯専用タイプの中間の機能を持っています。お湯張りや足し湯は自動で行いますが、追い炊きや保温機能はないため、これらは手動で行う必要があります。フルオートタイプよりも販売価格が比較的安く、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。
◇給湯専用
一方、給湯専用タイプはお湯張りや足し湯などの自動機能を持っておらず、すべて手動で行う必要があります。最も安価で販売されることが多いため、購入費用を抑えたい方に向いています。
旧来の給湯器も基本的に手動で操作するものであったため、従来の給湯器に慣れている方には違和感がないでしょう。どのタイプが家族の好みに合うかを検討し、最適なものを選ぶことが大切です。
ガス給湯器とエコキュートの違いとは?
ガス給湯器は初期費用が安く、瞬時に熱湯を供給できる一方で、ランニングコストが高く、環境への影響もあります。エコキュートは初期費用が高いが、長期的にランニングコストが低く、環境に優しいため、長く住む住宅には向いています。
◇ガス給湯器との違い
給湯器と聞くと、多くの方がガス給湯器を思い浮かべるかもしれません。ガス給湯器とエコキュートの違いを理解するためには、まずガス給湯器の特徴や仕組み、利点と欠点について知ることが重要です。
ガス給湯器は、ガスを燃焼させて発生した熱を利用して瞬時にお湯を作る給湯器です。水を出すと同時にガスが燃焼し、短時間で熱湯を供給します。そのため、すぐにお湯が必要な時に非常に便利です。
ガス給湯器の主な利点は、エコキュートに比べて初期費用が抑えられることと、設置がコンパクトで場所を取らない点です。また、瞬間湯沸かし型のためお湯切れの心配がなく、強い水圧でお湯を利用できる点もメリットです。
しかし、ガス給湯器にはいくつかの欠点もあります。電気とガスを使用して高温の排気を行うため、環境に悪影響を与える可能性があります。また、稼働には電気が必要であり、停電時や災害時には利用できないという点も考慮する必要があります。
◇ガス給湯器とエコキュートはどちらがお得?
ガス給湯器とエコキュートのどちらがよりお得かは、利用状況や利用期間によって異なります。どちらが優れているかを一概に決めるのは難しく、自分に合った選択が重要です。
初期費用に関しては、ガス給湯器の方がエコキュートよりも安く済みます。しかし、ランニングコストについては一般的にガス給湯器の方が高くなります。特に、プロパンガスを使用している家庭では光熱費がかなり高くなる可能性があります。
エコキュートの初期費用は高めですが、長期間同じ住まいで暮らす場合にはコストパフォーマンスが良くなります。長期的に見ると、ガス給湯器のランニングコストが高くなるためです。環境への負荷を考慮すると、長く住む予定の注文住宅にはエコキュートの方が優れていると言えるでしょう。
給湯器にはさまざまなタイプがあるため、各タイプの利点と欠点を比較し、自分の状況や希望に合ったものを選ぶことが大切です。
施主支給でエコキュートのコストを削減
施主支給とは、自分で購入した設備を施工会社に提供する方法です。これにより、自分の好きな機種を選べ、コストを抑えられる利点がありますが、手間がかかり、保証が短くなる場合があるため、慎重に検討する必要があります。
◇施主支給とは
エコキュートの設備を導入する際、施主支給という選択肢があります。施主支給とは、自宅に必要な設備を自分で購入し、施工会社に提供する形式です。
以前は、注文住宅の建築においてはすべての作業を施工会社に任せるのが一般的でした。しかし、近年はインターネット通販の普及により、手に入れにくかった物品も簡単に購入できるようになりました。
輸入品も手に入りやすくなり、自分のお気に入りの設備を選んで注文住宅に取り入れる人が増えています。
◇施主支給の利点
給湯器の準備において施主支給を利用する利点には、自分の好きな機種を選べることと、費用を安く抑えられることがあります。
注文住宅の建築を依頼する際、多くの施工会社は特定のメーカーから設備を仕入れるのが一般的です。そのため、施工会社が取り扱っていない気に入った機種がある場合、施主支給を選ぶと良いでしょう。
施主支給のもう一つの利点は、費用を最小限に抑えられることです。施工会社を通すと、給湯器の価格が高くなることがあります。これは、メーカーから商社や問屋、販売店を経由する際に中間マージンが発生するためです。
一方で、施主支給を利用すれば、直接メーカーから仕入れることができるため、コストを抑える可能性が高くなります。さらに、購入先によっては設置費用も安く抑えられる場合があるので、いくつかの会社を比較して選ぶと良いでしょう。
◇施主支給を選択する際の注意点
施主支給の注意点として、まず手間と時間がかかる点が挙げられます。自分で給湯器を選ぶ際には、メーカーや製品の比較をしなければならず、注文住宅の仕様に合ったものを選ぶ必要があります。単に価格だけでなく、住宅に適した製品を見つけるのは難しいこともあります。
さらに、施主支給の場合、施工会社に任せるよりも保証が短くなることが多いです。施工会社に依頼すると、長期間のアフターサポートを受けられることが多いですが、施主支給では通常、メーカーの保証のみが提供されます。
保証期間を延ばすには追加費用がかかる場合があり、総額では施工会社に依頼した方が安くなることもあります。緊急時には自分でメーカーに問い合わせる必要があり、その対応に手間がかかることも考慮するべきです。
エコキュートの利点や魅力
エコキュートは空気の熱を利用して水を温め、環境に優しく、エネルギー効率も高いです。夜間電力を使い光熱費を削減し、災害時にもお湯や水が利用可能です。また、国や自治体から補助金が受けられることもあります。
◇空気の熱を利用するため環境に優しい
エコキュートにはさまざまな利点があります。まず、エコキュートは空気の熱を利用して水を温めるため、環境にやさしい給湯器です。ガス給湯器など他のシステムと比較して、二酸化炭素の排出量が少なく、エコに優れています。
さらに、エコキュートは投入エネルギーに対して3倍の熱量を発生させる高いエネルギー効率を持っています。ガスを使用しないため、火災のリスクも低く、安全性の面でも優れています。
◇夜間電力活用による光熱費の削減
エコキュートは夜間に水を温める仕組みを持っており、単価の安い夜間電力を利用することで光熱費を削減できるという利点があります。このため、エコキュートを利用すると、夜間の電気料金が安くなるプランを選択できることが多く、光熱費の節約につながります。
ランニングコストを抑えたいと考えている方にとって、エコキュートは非常に適した給湯システムと言えるでしょう。
◇災害時にもお湯や水が利用可能
エコキュートは災害時にもお湯や水が利用できるのが大きな利点です。災害時には電気やガスが使えなくなることがありますが、ガス給湯器ではお湯が利用できなくなる可能性が高いです。
しかし、エコキュートは夜間に水を温めて貯湯タンクに貯めておくため、緊急時に電気やガスがなくてもお湯を使用できます。また、断水した場合でも非常用取水栓から水を取り出して生活用水として利用することが可能です。
◇自治体などから補助金が受けられる場合がある
エコキュートを注文住宅に設置する場合、国や自治体から補助金が受けられることがあります。例えば、資源エネルギー庁では「給湯省エネ2024事業」という補助金制度を提供しており、適用条件を満たすとエコキュート1台につき8万円が支給されます。
さらに、愛知県や各市区町村でも独自の補助金制度を実施していることがあります。エコキュートを設置する前に、国や地元自治体が実施している補助金制度の有無を確認しておくと良いでしょう。
エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を沸かす省エネ型給湯器で、環境に優しく注目されています。エコキュートには、フルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用タイプの3つの主な種類があり、それぞれ異なる機能と価格帯を持っています。
フルオートタイプは全自動で高性能ですが高価で、オートタイプは一部自動でコストパフォーマンスが良く、給湯専用タイプはすべて手動で最も安価です。
エコキュートは、ヒートポンプ技術を用いて空気の熱を圧縮し、高温にしてお湯を作ります。このプロセスは二酸化炭素の排出量が少なく、環境への影響が低いため、エコ志向の選択肢として注目されています。また、熱湯は断熱材で保温されるため、省エネ効果も高いです。
エコキュートの特徴として、夜間の電力を利用してお湯を作ることで光熱費を削減できる点があります。夜間電力を安く利用できるプランを選べるため、長期的にランニングコストを抑えられます。
また、災害時にもお湯や水が利用可能で、電気やガスが使えない場合でも、貯湯タンクに貯めたお湯を利用できます。断水時には非常用取水栓から水を取り出すことも可能です。
エコキュートを設置する際には、国や自治体から補助金を受けられる場合があります。例えば、資源エネルギー庁の「給湯省エネ2024事業」では、エコキュート1台につき8万円の補助金が支給されることがあります。愛知県や各市区町村でも独自の補助金制度があるため、設置前に確認することが推奨されます。