住宅を購入・建築する際、自分のライフスタイルや好みに合った理想の住まいを実現する方法はいくつかあります。自由設計とは、間取りの調整が可能ながら、設備や建物の仕様はハウスメーカーや工務店によって指定される建築スタイルを指します。
こちらでは自由設計の特徴や魅力について、混同し易い注文住宅や他の住宅スタイルとの比較も交えてご紹介します。
目次
自由設計の魅力とは?
住まいを建てる方法には複数あり、それぞれの違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか。こちらでは、注文住宅を検討中の方のために、自由設計の魅力を他の住まいと比較しながら説明します。
◇自由設計とは?
自由設計とは、間取りの変更ができるが、設備や建物の仕様はハウスメーカーや工務店が指定する建築プランです。例えば、和室向きの部屋を洋室に変更できますが、浴室やキッチンのタイプなどは選ぶことができません。
住まいには、建売住宅、注文住宅、自由設計住宅の3種類があり、それぞれの違いを知ることで自由設計の特徴が理解できます。
注文住宅は、間取りから設備まで全て自分の好みに合わせて選択できるため、自由設計よりもカスタマイズの自由度が高いと言えます。
建売住宅は土地と建物がセットで販売され、間取りや仕様があらかじめ決まっていますが、オプションで一部カスタマイズが可能です。
自由設計も土地と住宅がセットで販売されますが、間取りの変更ができるため、一部自分の理想に近い住宅を建てることができます。ただし、建築確認申請の許可が下りるまでに時間がかかります。
自由設計と注文住宅の主な違いは、契約方法と自由度です。自由設計は土地と建物をセットで購入し、建築会社は指定されたものを選ぶ必要があります。一方、注文住宅では土地の購入と建物の契約が別々に行われ、全体的な自由度が高いです。
◇自由設計を選ぶメリットを紹介!
自由設計を選ぶメリットには、次のようなものがあります。
費用を抑えられる
注文住宅のフルオーダーは、理想どおりの住まいを実現できる反面、建築費用が高くなってしまうのがデメリットです。自由設計は住まいの機能性や仕様が既に決まっていて、工期が短く人件費を抑えられるため、費用もフルオーダーより安くなります。
失敗が少ない
建築の知識が乏しい人が好みを優先して住まいを設計すると、使いづらかったり住みづらかったりして後々後悔することがよくあります。自由設計は、プロの建築士が設計したプランをベースに住まいをデザインしていくため、失敗が少ないのもメリットです。
早くマイホームが手に入る
フルオーダーは打ち合わせを何度も重ねる必要があり、工期も長いため、家が完成するのに1年以上かかることもあります。自由設計の工期は、3~5カ月くらいです。早くマイホームが手に入るため、仮住まいにかかる費用も少なくて済みます。
自由設計の注意点とデメリット
自由設計は万能ではなく、デメリットが存在します。自由設計で住まいを建てる際に注意すべき点とデメリットは、以下のとおりです。
◇細かい間取りの変更の制限
仕様や間取りが決まっているため、間取りの大幅な変更や細かい仕様の指定はできません。大幅な変更の依頼が可能であっても、追加料金が発生するのが一般的です。内装のデザインだけでなく、住まいの細部にまでこだわりたい方にとっては、物足りなさを感じるでしょう。
自由設計でも自由度は住宅メーカーによって異なるため、住宅メーカー選びが重要です。ただし、建築条件つき土地を購入する場合、土地と建築会社がセットとなるため、自分の好みの住宅メーカーを選択することが制限される点に注意してください。
◇壁紙やキッチンの仕様はリストから選ぶ
自由設計では、壁紙、キッチンの仕様、外壁の色、床材などを好みで選べますが、選択肢が限られていてリストから選ぶことになります。バスルーム、洗面台、トイレなどに設置する設備もメーカーが決まっていることも多いため、設計を依頼する前にどのメーカーを取り扱っているか確認しておくことも重要です。
自由設計を選ぶべき人とは
注文住宅のフルオーダーと自由設計には、それぞれに魅力があるため、どちらにするか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらでは、参考までに自由設計を選ぶべき人の特徴を3つご紹介いたします。
◇予算を抑えたい方
マイホームは一生で一番高い買い物です。しかし、人生には結婚、出産、子育てなどさまざまなライフイベントがあり、その都度お金がかかります。病気、介護など予期せぬ出費もあるため、収入のほとんどをマイホームに費やすことはできません。
安い住宅といえば中古住宅や建売住宅がありますが、新築で少しでも自分の好みを反映した住まいをご希望であれば、注文住宅のフルオーダーより予算を抑えられる自由設計がおすすめです。
◇打合せなど手間や時間をかけたくない方
注文住宅のフルオーダーは、ゼロから理想の住まいを設計できるのが魅力ですが、間取りだけではなく、壁、床、天井などの色や素材、設備のサイズや配置、窓やドアの種類、ドアノブにいたるまで、すべて自分で決めていきます。
さらに建築士との打ち合わせがあり、工事着工前の打ち合わせの期間は3~6カ月で、1回あたりの打ち合わせ時間は1~3時間です。自由設計であれば、間取りや仕様はある程度決まっているため、フルオーダーほど打つ合わせに時間を費やす必要がありません。
◇間取りにこだわりがない方
広い土地を所有し、予算に限りがなければ多種多様の住まいのデザインが可能です。しかし、限られた土地に限られた予算内で、日当たりや生活動線を考慮して設計する場合、快適な間取りはある程度限定されてしまいます。特に間取りにこだわりがないのであれば、フルオーダーよりも、工期が短く費用が抑えられる自由設計を選択しても良いでしょう。
自由設計は、住まいを建てる方法の一つで、間取りの変更は可能ですが、設備や建物の仕様は建築会社が指定する建築プランです。
自由設計の魅力は、建築費用を抑えられるため、予算に制約のある方に適しています。また、プロの建築士が設計したプランをベースにするため、住まいの使い勝手やデザインに失敗が少ないです。さらに、工期が短く、早くマイホームを手に入れることができます。
一方、自由設計には注意点とデメリットもあります。細かい間取りの変更に制限があることや、壁紙やキッチンの仕様を限定されたリストから選ぶ必要があることが挙げられます。
自由設計を選ぶべき人は、予算を抑えたい方や手間や時間をかけたくない方、間取りにこだわりがない方に適しています。自由度の高さと建築プロセスのスピードを重視する人にとって、自由設計は魅力的な選択肢と言えます。