換気を怠ると、生活臭や湿気がこもり、結露やカビの発生、酸素不足や健康への悪影響が出る可能性があります。熱交換換気は外気温を調整して快適な室温を保ちながら換気でき、空調エネルギー費やCO2排出量を節約します。給気口は全開にし、人がいる時は常に稼働させると良いです。最近の換気扇は省エネ設計で電気代も抑えられます。
目次
換気をしないことで生まれる家への悪影響
換気をしないと、部屋に生活臭や湿気がこもり、結露やカビが発生します。また、二酸化炭素や一酸化炭素の濃度が高くなり、酸素不足や健康への影響が出る可能性があります。
◇汚れた空気や匂いが部屋に充満する
住まいには、食べ物や汚れた衣類、靴、住んでいる人の体臭や汗などの生活臭が発生します。換気をしないと、新鮮な空気が入らず、室内の空気がよどみ、汚れた空気や匂いが部屋中に充満します。
さらに、湿気も溜まりやすくなり、結露やカビが発生しやすくなります。住環境が悪化すると、快適な生活が送れないだけでなく、気分がふさぎ込んだり、体調不良やアレルギーを引き起こしたりすることもあるため、注意が必要です。
◇二酸化炭素や一酸化炭素濃度が濃くなる
生活する人やペットは二酸化炭素を排出するため、換気をしないと部屋の二酸化炭素濃度が高くなります。このような住環境では酸素不足となり、息苦しさや頭痛、集中力や思考力の低下を引き起こす可能性があります。
灯油や石油を使用するストーブや石油機器を設置している場合、それらの暖房器具は部屋の酸素を使って燃焼し、温かい空気を供給しています。そのため、さらに酸素不足が進みます。
室内の酸素量が減ると、正しい燃焼ができなくなり、有害な一酸化炭素も発生します。一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気、手足のしびれなどの症状が現れ、命を落とす危険もあります。
熱交換換気と換気扇の違い
熱交換換気は、外気温を調節するため室温を一定に保て、窓を開けずに換気することも可能です。一方、換気扇は、外気がそのまま入ってくるため、換気扇を使うと外気により室温が変化します。
◇熱交換換気の詳細とメリット
熱交換システムや高機能換気システムは、熱交換器を利用して外気温を調整しながら空気を入れ替える設備です。室温に合わせて汚れた空気を排気し、外のクリーンな空気を取り込むため、室温を大きく変えずに快適な空気環境を維持できます。
さらに、自動的に給排気を行うため、窓を締めたまま換気できるのもメリットです。
◇換気扇との違い
熱交換換気と換気扇の主な違いは、外気温を調節できるかどうかです。換気扇は外気温を調節する機能がなく、外から取り入れる空気の温度そのままが室内に入ります。
換気扇には給気ファンと排気ファンの2種類があり、給気ファンは直接外気を取り入れるため、夏には生ぬるい空気、冬には冷たい空気が室内に入ります。また、エアコンを使っている部屋で排気ファンを使うと、夏には冷えた空気、冬には暖かい空気が外に逃げてしまいます。
一方、熱交換換気は室内の温度を一定に保ちながら換気できます。
熱交換換気の正しい使い方
熱交換換気を使う際は、正しい使い方を把握しておくことが重要です。空気の循環をよくするために給気口を全開にし、家にだれかいるのであれば常に稼働させておくことが望まれます。
◇給気口は全開にしておく
熱交換換気を使用する際は、給気口を基本的に全開にしておくことが推奨されます。給気口が閉じていると、空気の循環が悪くなります。花粉症が気になる方は、給気口から花粉が入ってくるのではないかと心配することがありますが、熱交換換気では室内に花粉が入る心配はほとんどありません。
住宅内に花粉が入る主な原因は、外出時に着用したコートや衣類に付着した花粉です。花粉を防ぎたい場合は、給気口を閉じるのではなく、家に入る前にコートの花粉を払うようにしましょう。
◇人が家にいる場合は換気扇を常に稼働させておく
24時間換気システムは常に稼働させる必要はありませんが、家に人がいるときは常に稼働させることが望ましいです。熱交換換気を長時間稼働させると電気代が心配になるかもしれませんが、最近の換気扇は省エネモーターを使用しているため、常時稼働させても電気代はそれほどかかりません。
家に誰もいない時間帯は換気を停止しても問題ありませんが、短時間の外出ならそのままつけっぱなしにしても大丈夫です。
熱交換換気を設置することで得られるメリット
換気しながら室内の温度を保てる熱交換換気を設置すると、空調エネルギー費を節約でき、二酸化炭素排出量削減にも貢献します。室温を保ちやすくなるため、年間を通じて快適に過ごせるのもメリットです。
◇換気を行いつつ空調エネルギー費を節約できる
熱交換換気は、換気によって失われる空調エネルギーを効率よく再利用するため、室温を安定させやすくなります。外気が空調機の熱負荷の約30%を占めていますが、全熱交換器を使用することでこの負荷を軽減できます。
これにより、換気を行いながらもエアコンやその他の冷暖房機器のエネルギー消費を節約でき、CO2排出量の削減にも貢献します。
また、熱交換換気を設置すると新たに空調機を設置する際に比較的小さな能力の冷暖房機器で済むため、機器の購入費用も抑えることが可能です。
◇快適に換気できる
熱交換換気を使用すると、外気を室温に近づけて取り込むため、換気によって室内が暑くなったり寒くなったりすることがありません。これにより、快適な環境を維持しながら換気ができます。
また、調節機能があり、外気の湿度が高い時期には除湿効果を、乾燥している時期には増湿効果を発揮します。特に梅雨時期など、外気の湿度が高い時期には、結露やカビの発生を抑えるのに効果的です。
換気をしないと、室内に生活臭や湿気がこもり、結露やカビが発生します。また、二酸化炭素や一酸化炭素の濃度が高まり、酸素不足や健康への悪影響が出る可能性もあります。換気を怠ると、酸素が不足し、一酸化炭素中毒のリスクも増します。
熱交換換気は外気温を調整しながら換気できるため、室温を一定に保ちつつ快適に換気できます。これに対し、換気扇は外気温をそのまま室内に取り込むため、室温が変化しやすいです。
熱交換換気を使えば、空調エネルギー費を節約でき、CO2排出量の削減にも貢献します。また、室内の湿度を調節し、結露やカビの発生を抑制する効果もあります。
給気口は基本的に全開にし、家に人がいる時は常に稼働させることが望ましいです。最近の換気扇は省エネ設計で電気代がそれほどかからないため、安心して使用できます。