愛知県での注文住宅選びにおいて、木造住宅と鉄骨住宅の違いを理解することが大切です。木造住宅は木材を主に使用し、気密性が高く、コストが抑えられる一方、鉄骨住宅は開放感のあるデザインや安全性を重視する方に向いています。それぞれの特徴を考慮しながら、自身のニーズに合った選択を検討しましょう。
目次
木造? 鉄骨? それぞれの住宅の違いを解説!
一般的に木造は戸建て、鉄骨造はマンションやビルに採用される建築構造ですが、鉄骨造の戸建ても建てられます。木造も鉄骨造もそれぞれメリットとデメリットがあるため、注文住宅を建てる前にそれぞれの違いを理解しておくことが大切です。こちらでは、愛知県で注文住宅をご検討中の方のために、ふたつの建築構造の違いを解説いたします。
◇木造
柱、梁、壁など住まいの主要の部分を、木材で建築します。国土の約2/3を森林が占める日本には木材が豊富にあり、調湿機能のある木材は日本の気候や風土に適しているため、昔から採用されている建築構造です。木造住宅には、木造軸組工法とツーバイフォー工法があります。それぞれの違いは次のとおりです。
木造軸組工法
古くから受け継がれてきた日本の伝統的な工法です。コンクリートの基礎に柱を垂直に立て、梁を水平に渡し、骨組みを作ります。その後、屋根を設置してから壁を取り付けて建物を構築する工法です。
ツーバイフォー工法
アメリカで誕生した工法で、枠組壁工法のことです。2インチ×4インチの木材で枠組を作成し、構造用面材を取り付けてダイアフラムを構成します。このダイアフラムで6面体構造を作って建物を建築していく工法です。
◇鉄骨造
建物の主要部分を鉄骨で建築します。鉄骨造にも2種類あり、それぞれの違いは次のとおりです。
軽量鉄骨造
厚さ6mm以下の鋼板を使って建物を建築します。戸建て住宅の建築で採用されるのは、この軽量鉄骨造です。
重量鉄骨造
厚さ6mm以上の鋼板を使って建物を建築します。重量鉄骨造であれば、マンションや商業施設など大型の建築物を建設することが可能です。
木造住宅・鉄骨住宅それぞれの魅力と注意点
注文住宅で木造住宅か鉄骨住宅か選ぶ前に、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。こちらでは、木造住宅と鉄骨造のそれぞれが持つ魅力と、注意点をご説明いたします。
◇木造住宅の魅力
木造住宅の主な魅力は、次のとおりです。
日本の気候に適している
木材には、調湿機能が備わっているため、夏は高温多湿で冬は乾燥しやすい日本の気候に適した建材です。木造住宅は住環境が整えられるため、夏は涼しく冬は暖かく過ごせ、結露やカビの防止にも役立ちます。
鉄骨造よりも気密性が高い
鉄骨造よりも柱や壁を多く設置するため、建物全体の気密性が向上します。気密性の高い住まいは熱効率がよいため、光熱費を削減するのにも効果的です。
建築費用が安い
木造住宅に使う木材は価格が安く、完成までの工期も短いので、建築費用を安く抑えられます。
◇鉄骨住宅の魅力
鉄骨住宅の主な魅力は、次のとおりです。
開放感のある住まいを実現できる
木造住宅より柱の本数や壁を減らせるため、開放感のある住まいを実現できます。吹き抜けや、広いリビング、大きな窓のあるマイホームを建てたい方におすすめの建築構造です。
仕上がりに差が出ない
木造住宅は、職人の技術力に仕上がりが左右されやすいのがデメリットです。鉄骨住宅は、工場で完成された部材を現地で組み立てるだけなので、品質に一貫性があります。
火災保険料の負担が少ない
火災保険料は構造材料をもとに算出されます。そのため、鉄骨住宅の火災保険料は、木造住宅と比較すると割安です。
◇木造住宅の注意点
木造住宅は依頼した住宅メーカーによって、仕上がりにばらつきが出やすいため、住宅メーカー選びが重要です。木造住宅の耐用年数は、法律で定められていますが、一般的には鉄骨構造に比べて短いことがあります。
また、湿った木材にシロアリが発生しやすく、建物の部品を食害する恐れがあります。定期的な床下のチェックや防虫処理が必要です。メンテナンスや修繕が欠かせず、定期点検が必要です。価格が抑えられる木造住宅ですが、無垢材は高額なため無垢材を使う場合は予算オーバーに注意が必要です。
◇鉄骨構造の注意点
建築費用が高額になりやすく、工期が長いので完成するまでに時間がかかります。建物が重いため、地盤の弱い土地には向きません。地盤調査を行い地盤が緩い場合は、地盤強化工事が必要になります。
また、鉄骨構造は錆びる可能性があり、定期的な錆び対策が必要です。錆びは鉄の耐久性を減少させる要因となります。鉄骨構造は木造に比べて耐火性は高いですが、高温に弱い性質があり、火事が発生した場合には倒壊の危険性が増加します。鉄骨構造は気密性や断熱性が木造に比べて低いため、高性能な断熱材や断熱設計が必要です。
木造住宅と鉄骨住宅どちらがおすすめ?
最後に、木造住宅と鉄骨住宅のそれぞれに向いている人の特徴をご紹介いたします。木造住宅と鉄骨住宅のどちらにするかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
◇木造住宅が向いている人
木造住宅が向いている人の主な特徴は、次の3つです。
木の心地よさを感じたい人
木材は、肌触りがよく木のぬくもりを感じられ、木ならではのよい香りがします。木の香りはリラックス効果も期待できるため、木の心地よさを感じながら生活した人には、木造住宅がおすすめです。
予算に制限がある人
注文住宅は建売住宅より価格が高くなりがちですが、価格の安い集成材を活用した木造住宅であれば建築費用を安く抑えられます。
できるだけ多くの住宅メーカーから選びたい人
木造住宅はほとんどの住宅メーカーが対応しているため、鉄骨住宅よりも多くの住宅メーカーから選べます。好みにあった住宅メーカーを選べば、理想のマイホームも実現させやすいでしょう。
◇鉄骨住宅が向いている人
鉄骨住宅が向いている人の主な特徴は、次の3つです。
間取りにこだわりたい人
住まいに吹き抜け、広いスペース、大きな窓を設置したい場合は、木造住宅より鉄骨住宅のほうが設計しやすいです。
耐久性に優れた住まいを建てたい人
建築費用は高くなる傾向が強いですが、木造住宅よりも長く住めます。
安全性を確保したい人
鉄骨住宅は剛健で耐震性に優れ、燃えづらいため防火性も高いのが特徴です。デザイン性より家族の安全を重視したい場合は、鉄骨住宅のほうが満足できる住まいを実現できるでしょう。
木造住宅と鉄骨住宅にはそれぞれメリットとデメリットがあります。木造住宅は日本の気候に適しており、価格が手ごろで気密性が高いという利点があります。一方、鉄骨住宅は開放感のある設計がしやすく、品質に一貫性があり、火災保険料が割安です。しかし、鉄骨住宅は建築費用が高く、工期が長い場合があり、地盤の強化が必要なことも考慮しなければなりません。
木造住宅は木のぬくもりや香りを楽しみたい人や予算に制約のある人、多くの住宅メーカーから選びたい人に向いています。一方、鉄骨住宅は間取りにこだわりたい人や耐久性や安全性を重視する人に適しています。選択肢を検討する際には、自身の優先順位やニーズに合わせてどちらが最適か考えることが重要です。