日本は地球温暖化の影響で大雨や台風が増加し、水害が頻発しています。住居の安全対策として、新築や中古住宅の選定時には水害リスクを考慮し、適切な対策を講じる必要があります。盛土や高床の設計、家全体を防水性の塀で囲むことが効果的で、家庭では避難場所の確認や非常用品の準備、浸水対策を実施することが推奨されています。
目次
地球温暖化と増加する日本の大雨
日本は大雨や台風が頻繁に発生し、水害が多い国です。気象庁のデータによると、1日の降水量が200mm以上の大雨が増加しており、大規模な災害も増えています。地球温暖化の影響がこの増加の原因とされており、今後もこの傾向が続けば、大雨やゲリラ豪雨の発生頻度が今世紀末には20倍以上になると予測されています。
水害が発生した場合、住居の2階や3階に避難するのが基本ですが、家自体が安全とは限りません。対策が不十分だったり、水害リスクの高い場所に建てられていることもあります。新築や中古住宅を選ぶ際には、水害に対する安全性を確認し、適切な対策を講じることが重要です。
住宅が浸水すると、床の交換や設備機器の更新、断熱材の交換など高額な復旧工事が必要になるため、あらかじめ水害対策を立てておくことが大切です。
水害リスクを減らすための家の設計と工事の重要性とは?
盛土で敷地を上げることは、水害に強い家を建てるための方法の一つです。周囲より高い位置に住宅を建てることで、水の流れを防ぎますが、隣の住宅の水没リスクも考慮する必要があります。盛土工事には費用と規制が関わるため、慎重な計画が求められます。
盛土で敷地を上げる
水害に強い家を建てるための一つの方法として、敷地を高くする盛土があります。水は高い場所から低い場所へ流れるため、周囲より高い位置に家を建てることで水害を防ぐことができます。
ただし、隣の住宅が水没する可能性があるため、周辺と同じか少し高い場所を選ぶのが良いでしょう。また、盛土工事は費用がかかり、申請や高さの制約もあるため、条件をよく検討して決める必要があります。
高床で住宅の基礎を高くする
住宅の基礎を高くする「高床」は、水害に対する防御策の一つです。これは、住宅全体を脚で支えるような構造で、地面からの距離を高めることで洪水などの水害から守ります。
高床の設計には、基礎を高くする方法と、1階を吹き抜けにして主要な居室を2階に配置する方法があります。吹き抜け空間を設ける場合、1階は水が入っても大丈夫なように設計されます。これにより水害には強いですが、地震や台風などの水平方向の負荷には弱いという欠点があります。
塀で囲む
家全体を防水性の塀で囲むことも、効果的な水害対策の一つです。特に、家の入り口や車庫が道路よりも低い位置に設計されている場合、防水性の塀は有効的に働いてくれます。
塀は敷地を囲むものであり、家自体の大きさに変化はないため、高さ制限の問題や隣接する住宅への日当たりの影響は比較的少ないです。ただし、塀の高さによっては、住宅の日当たりが悪化する可能性がある点に留意する必要があります。
また、塀の効果が発揮されるには、門が閉じていることが前提です。門が開いていると水害に巻き込まれる可能性が高まるほか、敷地内での適切な雨水排水が確保されていない場合には塀の効果が制限される可能性があることも考慮すべきです。
建物の防水機能を上げる
水害時にも居住空間に被害が及ばないように、耐水性の外壁を導入する方法もあります。また、玄関や窓にも防水性の高い素材を採用して密閉仕様にすることで、建物内への浸水を防ぐことも可能です。
これらは住宅の高さを変えず、日当たりへの影響を最小限に抑えるため、比較的容易に導入できます。ただし、定期的なメンテナンスが必要であることを考慮し、ランニングコストとのバランス調整が重要です。
家庭でできる水害対策~碧南市の安全対策と備え
過去、水害が発表している碧南市で生活する場合、災害リスクが高い地域や災害発生時の行動をチェックしておくことが大切です。
碧南市の危険なエリアや水害発生時の行動を確認
災害の発生に備えて、以下の3つを確認しておきましょう。
危険なエリア(過去水害が発生したエリア)
矢作川に近い大浜小学校区と日進小学校区に加え、鷲塚小学校区と西端小学校区の4つは、過去に浸水が報告された地域です。
碧南市は水に囲まれた特徴を持つ都市であり、過去には台風13号(1953年)、伊勢湾台風(1959年)、東海豪雨(2000年)による水害が発生しています。
洪水被害予測
想定最大規模の雨が降った場合、洪水は碧南市の建物の約半数、高潮は建物の約3割が床上浸水の被害に遭うと予測されています。0.5,mほどの床上浸水であっても、氾濫時には大人でも避難が困難であり、3mになると建物の2階床面が浸水するほどの被害です。
碧南市からの避難情報の流れ
碧南市は、名古屋市地方気象台と国土交通省豊橋河川事務所が共同発表する矢作川の洪水予報・気象予報・警報を基に、避難情報を発表しています。
市が発表する情報は危険度の高さによって分けられ、避難準備・高齢等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)の3つです。
家庭でできる水害対策
家庭でできる水害対策は、主に以下の4つです。
・避難場所や経路を家族で確認しておく
・万が一の際の集合場所を決めておく
・非常用品(食料や水など)をストックしておく
・下水道の側溝に落ちた葉っぱやゴミを取り除く
また、浸水直前の対策として、ゴミ袋で簡易土のうを作り玄関前に隙間なく設置する、水の吹き出しを予防するために排水口を水のうで塞ぐなどがあります。
また、家財被害を少しでも減らすために家電や衣類などを2階へと運んだり、車を安全なところへ移動させたりすることも大切です。
日本は地球温暖化の影響で大雨や台風が増加し、頻繁に水害に見舞われる国です。気象庁のデータによると、1日の降水量が200mm以上の大雨が増え、これによる大規模な災害も増加しています。今後、この傾向が続けば、ゲリラ豪雨を含む大雨の発生頻度は今世紀末には20倍以上になると予測されています。
水害が発生した場合、住居の2階や3階への避難が推奨されていますが、建物自体が完全に安全とは限りません。対策が不十分な場合や、水害リスクの高い場所に建てられた住宅では特に注意が必要です。新築や中古住宅を選ぶ際には、水害に対する安全性を確認し、適切な対策を講じることが重要です。水害による浸水被害は、床の交換や設備機器の更新、断熱材の交換など高額な復旧工事を必要とするため、事前の対策が不可欠です。
水害リスクを軽減するための家の設計や工事も重要です。例えば、盛土を利用して敷地を高くする方法があります。これにより、住宅を周囲よりも高い位置に建てることで水の流れを防ぎますが、隣接する住宅の水没リスクも考慮する必要があります。盛土工事には費用や規制が関わるため、計画段階での慎重な対応が求められます。
また、高床の設計も有効です。住宅の基礎を高くすることで、洪水などの水害から守ることができますが、地震や台風などの水平方向の負荷には弱い面も考慮する必要があります。さらに、家全体を防水性の塀で囲むことや、建物自体の防水機能の強化も有効です。これらの対策は住宅の高さを変えず、日当たりへの影響を最小限に抑えつつ、比較的容易に導入できる点が利点です。
家庭でできる水害対策も重要です。避難場所や経路を家族で確認し、非常用品を準備することで、災害時の安全を確保します。また、浸水直前の対策として、排水口を塞いだり、家財を安全な場所へ移動させることも対策の一環です。これらの対策を通じて、碧南市など水害リスクの高い地域での生活に備えましょう。