太陽光発電システムの導入は、愛知県をはじめ多くの地域において家庭のエネルギー効率を向上させ、経済的な節約を実現する効果的な手段です。太陽光発電によって生み出される電力を利用することで、外部から購入する電力の量を減少させ、電気料金の節約に繋がります。さらに、太陽光パネルの屋根への設置は断熱効果も期待でき、夏季の冷房費用や冬季の暖房費用の削減に貢献します。
しかし、このシステム導入にあたり、初期投資の高さや適切な設置スペースの確保、定期的なメンテナンスの必要性、そして発電量が天候に左右されるといったデメリットも認識しておく必要があります。国や地方自治体の補助金や助成金の利用によって、これらの初期コストを軽減することが可能です。
目次
太陽光発電のメリットとデメリット
愛知県で注文住宅を建てる際に、太陽光発電の設置を視野に入れる方もいるかもしれません。太陽光発電を設置すると、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
◇メリット
太陽光発電のメリットとして、多くの方が思いつくのは電気代の節約でしょう。しかし、それ以外にも様々なメリットが期待できます。
光熱費の削減
太陽光発電で生成した電気を使えば、その分電力会社が供給する電気の使用量を減らせるため、電気料金を削減できます。太陽の光がある限り電力を供給し続けることができるため、特に日中の電力使用量が多い家庭では、その効果を大きく実感できるでしょう。
さらに、太陽光パネルを屋根に設置することによる断熱効果も見逃せません。パネルが直射日光を遮ることで屋根が受ける熱の量が減り、夏場の冷房費用の削減に貢献します。また、冬場においても、屋根からの熱の逃げを防ぐことで暖房にかかる電気・ガス料金の削減が期待できます。
このように、太陽光発電システムは直接的な電力供給だけでなく、住宅のエネルギー効率を高めることにも寄与するのです。
停電時の備え
自然災害やその他の原因による停電などが生じると、水道のポンプが稼働できなくなります。電気だけでなく、水も使えない状況に陥りやすいのです。太陽光発電では、太陽の光を直接電気エネルギーに変換して蓄電池に貯蔵するため、外部からの電力供給が途絶えた状況下でも、家庭や施設で電気や水を使用できるのです。
◇デメリット
導入メリットの多い太陽光発電ですが、デメリットも存在します。
初期費用の高さ
太陽光発電システムを導入するための初期費用は比較的高額です。太陽光パネルやインバーター、設置工事などの費用がかかります。このため、導入時の費用負担が大きいことが挙げられます。
設置スペースの必要性
太陽光パネルを設置するには、屋根や庭などに広いスペースが必要です。また、建物の向きや傾きによっても発電効率が変わるため、適切な場所の確保が課題となります。十分なスペースが確保できない場合は発電量が減る、あるいは太陽光パネルそのものの設置が不可能になるかもしれません。
メンテナンスの必要性
太陽光発電システムは定期的なメンテナンスが必要です。パネルの汚れや劣化、インバーターの故障などが発生する可能性があります。これらのメンテナンスや修理には時間と費用がかかることがあります。
太陽光発電はどれくらいの費用が掛かる?
画像出典先:フォトAC
太陽光発電を設置する際には、どれくらいの費用がかかるのか、導入を検討する場合はしっかりと把握をしておく必要があります。太陽光発電の価格や設置費用について解説します。
◇必要な設備と価格
太陽光パネル
太陽光発電の中核となるパネルは、一般的に1枚あたり数万円~数十万円の価格帯です。パネルの種類や性能によって価格が異なります。
パワーコンディショナー(インバーター)
太陽光パネルで発電された直流電力を交流電力に変換するための装置です。インバーターの価格は数十万円~数百万円になることがあります。
設置支持構造物
太陽光パネルを設置するための支持構造物も必要です。これにかかる費用は、設置場所やパネルの台数によって異なりますが、数十万円~数百万円の範囲でしょう。
配線や電気工事
発電した電力を家庭用電力とつなぐための配線や電気工事も必要です。これらの費用も太陽光発電システム全体の価格に含まれます。
◇設置にかかる費用
設置する太陽光発電システムの規模や容量によって費用が変動します。大規模なシステムほど設置にかかる費用も高額になります。屋根や地上など、設置場所の条件によって設置にかかる費用が異なります。屋根への設置の場合は屋根の補強や耐久性を考慮する必要があります。
太陽光発電の設置で補助金や助成金は出る?
太陽光発電の設置にかかる費用は、決して安いとは言えません。各自治体や国からの補助金や助成金を活用することで、設置費用を抑えられる場合があります。自治体から、補助金や助成金が出る場合もあるので、上手に活用しましょう。ただし、年度によって運用しているか否かが異なる点に注意が必要です。
◇国から補助金は出る?
要件を満たせば、国からの補助金を受けられます。2024年2月時点で受けられるのは「子育てエコホーム支援事業」、運営が見込まれている補助金は「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」です。
子育てエコホーム支援事業
省エネルギー性や環境性能の高い住宅を建設することを奨励し、その一環として太陽光発電設備の設置を支援しています。子育て家庭が新築する住宅において、太陽光発電設備を設置する場合に、1住戸につき80万円の助成を受けることが可能です。
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)とは、年間の一次エネルギー消費量がゼロに近い住宅のことを指しており、ZEH化に向けた取り組みを行う戸建住宅に対して、補助金や助成金を提供しています。2024年2月現在では令和6年度の公募が始まっていないものの予算案が提示されており、要件を満たすと最大100万円の助成を受けることが可能です。
出典元:環境省「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」
◇地方自治体の補助金
各地方自治体も、太陽光発電や蓄電池の普及促進を目的とした補助金制度を行っています。愛知県の補助金制度は、「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」です。
愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金
愛知県内の住宅において地球温暖化対策設備の導入を促進するために、太陽光発電設備の導入に関する補助金を行っています。
補助対象は太陽熱利用システムや定置用リチウムイオン蓄電システムなど何種類かに分かれており、単体導入・一体導入のいずれも補助を受けることが可能です。
補助率は1/4以内となっており、設備の種類や導入方法によって異なります。戸建住宅で受けられる助成金の補助率は設備導入にかかった費用の1/4以内(最大16万2,800円)です。
出典元:愛知県「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」
愛知県を含む多くの地域で、家庭のエネルギー効率向上と経済的節約へ大きく寄与するのが太陽光発電システムの導入でです。太陽光発電により生成された電力を利用することで、従来電力会社から購入していた電気の使用量を大幅に削減でき、長期的に見れば電気料金の節約につながります。また、屋根に太陽光パネルを設置することで得られる断熱効果は、夏の冷房費用や冬の暖房費用を減らすことにも貢献し、年間を通じたエネルギーコストの削減を実現するでしょう。
太陽光発電システムの導入には電気代の節約や断熱効果による光熱費の削減、さらには停電時の電力供給確保などのメリットがありますが、初期費用の高さ、設置スペースの必要性、メンテナンスの必要性、天候による発電量の変動などのデメリットも存在します。
太陽光発電システムの設置に際しては、国や地方自治体から提供される補助金や助成金を活用することで、初期投資の負担を軽減できます。補助金や助成金の制度は地域や時期によって異なるため、計画段階で詳細な調査と申請が必要です。