愛知で注文住宅を建てる際も、住宅ローン控除は賢い選択です。住宅ローン控除は、住宅購入者にとって負担を軽減し、住宅の取得をサポートするための制度で、愛知でも有効に利用できます。以下で住宅ローン控除の仕組みと手続きについて詳しく解説します。
目次
住宅ローン控除とは?2022年税制改正での変更点
住宅ローン控除(正式には「住宅借入金特別控除」)は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、所得税と住民税から一定の金額が控除される税制の一つです。以下で住宅ローン控除の概要と、2022年の税制改正での変更点について詳細に解説します。
◇住宅ローン控除とは
住宅ローン控除は、住宅購入者にとって負担を軽減し、住宅の取得をサポートするための制度です。住宅ローンの年末時点での残高に対して適用されます。控除の対象となる金額は、残高の0.7%までです。つまり、住宅ローンの残高が大きいほど、より多くの控除が受けられます。
住宅ローン控除を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。具体的な条件は国や地域によって異なりますが、一般的には住宅を自己居住用とし、購入後に一定期間内に入居する必要があります。また、住宅ローン控除を利用する際には、年末調整や確定申告などの手続きが必要ですので、適切な準備を行うことが大切です。
◇2022年の税制改正での変更点
最も大きな変更点は、住宅ローン控除の控除率が1.0%から0.7%に引き下げられたことです。これまでの制度では、住宅ローンの年末時点の残高の1.0%が控除されていましたが、新しい制度では0.7%が控除の上限となります。
所得要件も変更され、住宅ローン控除を受けるための合計所得金額の要件が「3000万円以下」から「2000万円以下」に引き下げられました。この変更により、合計所得が2000万円超の場合、住宅ローン控除が受けられなくなります。
また、住宅ローン控除は基本的に所得税から控除されますが、所得税からの控除が不足する場合、翌年度の住民税からも控除されていました。2022年の改正で、住民税からの控除額の上限が13万6500円から9万7500円に引き下げられました。このため、所得税から控除できなかった分の住民税控除が少なくなる可能性があります。
認定住宅等(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅)に該当する住宅に対しては、借入限度額が大きく設定され、優遇されます。これらの住宅での住宅ローン控除は、借入限度額が他の住宅よりも高くなります。
住宅ローン控除の仕組みと手続き
住宅ローン控除では、住宅ローンの利息や返済にかかる費用を一部、または全額、所得税や住民税から控除することで、納税者にとって経済的なメリットを提供します。この制度を利用するためには、特定の手続きや条件を満たす必要があります。以下では、住宅ローン控除の仕組みと手続きについて詳しく解説します。
◇住宅ローン控除の仕組み
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住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住まいを購入したり建てたりする際に、一定の条件を満たすことで、所得税と住民税から一部の金額が減税される仕組みです。この制度は、住宅を持つための負担を軽減し、住宅購入を支援するために設けられています。
住宅ローン控除は、毎年の所得税の計算において適用されます。住宅ローンを組んだ場合、その年末時点の住宅ローンの残高に対して、0.7%の控除率が適用されます。控除期間は、通常13年間にわたって適用されます。この期間中、毎年の所得税の計算において、残高の0.7%が控除されます。
所得税からの控除額が、その年の所得税額を超える場合、残りの控除額は住民税から差し引かれます。この際、住民税からの控除には上限があり、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)までとなります。
◇住宅ローン控除を受けるための手続き
住宅ローン控除を受けるためには、新居に入居した年の翌年に所得税の確定申告が必要です。確定申告期間は通常、2月16日から3月15日までですが、特定の控除を受けるためには、1月から申告できる場合もあります。手続きの流れは次の通りです。
1.必要な書類を収集します。これには、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明细書」や「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」などが含まれます。
2.確定申告書に必要事項を記入し、必要な書類と一緒に税務署に提出します。
3.所得税の計算において、住宅ローン控除が適用され、減税されます。住民税からも必要に応じて控除されることがあります。
初年度に確定申告を行った方は、2年目以降においては年末調整で所得税の控除が適切に調整されます。住民税についても同様の手続きが行われ、必要に応じて住民税からの控除が行われることになります。初年度の確定申告は必須ですが、2年目以降は年末調整で対応でき、手続きが簡略化されます。これにより、住宅ローン控除を受けるための手続きが効率的に行えます。
住宅ローン控除の適用条件と控除金額
住宅ローン控除は、住宅の性能や入居時期によって異なり、正確な計算が必要です。以下では、住宅ローン減税の適用条件や各種住宅の控除金額について詳しく説明します。
◇住宅ローン控除の適用条件
住宅ローン控除を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。以下は、その条件をまとめたものです。
・住宅ローン減税は、自己居住用の住宅に対してのみ適用されます。別荘や投資物件などは対象外です。
・対象となる住宅は、延べ床面積が50平米以上である必要があります。ただし、2023年までに建築確認が行われた新築住宅については、40平米以上でも適用されます。
・住宅の床面積の2分の1以上が自己居住用であれば、店舗併用住宅や賃貸併用住宅も対象になり、自己居住部分の割合に応じて減税を受けられます。
・住宅ローンの総返済期間が10年以上であることが条件です。
・住宅ローンの借入元は、親族や知人ではない第三者である必要があります。
・勤務先からの借入金が対象となりますが、無利子または0.2%未満の低利率の場合は適用外です。
・土地を購入後、2年以内に住宅ローンを組んで家を建てる場合、土地の購入代金も住宅ローン減税の対象となります。
・年間の合計所得金額が2,000万円以下であることが条件です。
・新築または取得の日から6ヶ月以内に居住を開始し、住宅ローン減税の対象年の年末まで引き続き居住している必要があります。
これらの条件を満たすことで、住宅ローン控除の適用を受けることができます。注意点として、床面積は登記簿上の数字が適用基準となるため、確認が必要です。
◇住宅の種類ごとの最大控除金額
住宅の種類に応じた最大控除額は、住宅の性能と適用される年によって異なります。以下、各種住宅の最大控除額を解説します。
長期優良住宅・低炭素住宅(2022年~2023年の入居)
借入限度額: 5,000万円
控除率: 0.70%
控除期間: 13年
年間最大控除額: 35万円
合計控除額(13年間): 455万円
長期優良住宅・低炭素住宅(2024年~2025年の入居)
借入限度額: 4,500万円
年間最大控除額: 31.5万円
合計控除額(13年間): 409.5万円
ZEH水準省エネ住宅(2022年~2023年の入居)
借入限度額: 4,500万円
年間最大控除額: 31.5万円
合計控除額(13年間): 409.5万円
ZEH水準省エネ住宅(2024年~2025年の入居)
借入限度額: 3,500万円
年間最大控除額: 24.5万円
合計控除額(13年間): 318.5万円
省エネ基準適合住宅(2022年~2023年の入居)
借入限度額: 4,000万円
年間最大控除額: 28万円
合計控除額(13年間): 364万円
省エネ基準適合住宅(2024年~2025年の入居)
借入限度額: 3,000万円
年間最大控除額: 21万円
合計控除額(13年間): 273万円
その他の住宅(2022年~2023年の入居)
借入限度額: 3,000万円
年間最大控除額: 21万円
合計控除額(13年間): 273万円
その他の住宅(2024年~2025年の入居)
借入限度額: 0円(住宅ローン控除は適用されない)
注意点として、これらの控除は年ごとに残高が減少するため、毎年の控除額も変動することを覚えておきましょう。また、所得税や住民税の上限を超える控除は受けられないため、確定申告時にしっかり計算しておく必要があります。
住宅ローン控除は、住宅購入者が所得税と住民税から一定の金額を控除する税制です。2022年の税制改正で控除率が1.0%から0.7%に引き下げられ、所得要件が「3000万円以下」から「2000万円以下」に変更されました。この制度は、自己居住用の住宅で、年末時点の住宅ローン残高に対して0.7%の控除率が適用され、通常13年間の控除期間が設けられています。所得税からの控除が不足する場合、住民税からも一部控除されますが、上限は9万7500円です。
控除を受けるためには、住宅ローン控除の適用条件を満たす必要があります。これには、自己居住用の住宅であること、床面積の要件、総返済期間が10年以上であること、所得要件、借入元の条件などが含まれます。
さらに、住宅の種類によって最大控除額が異なり、長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅には優遇措置があります。これらの控除は年ごとに残高が減少し、所得税や住民税の上限を超える控除は受けられません。従って、控除額を正確に計算し、適切な手続きを行うことが重要です。