愛知で注文住宅を建てる際、予算オーバーしないためにできることを知っておくといいでしょう。予算オーバーしないために削っていい箇所として、住宅設備、オーダーメイド、壁紙、オプション、建物の形状が挙げられます。反対に予算をオーバーしても削るべきでないのは、断熱材、水回りの設備、災害対策です。
そして、注文住宅の建築にかけられる費用と要望の優先順位をしっかりと決めており、適切な施工会社を選ぶことで、予算オーバーしにくい家づくりができます。
目次
注文住宅で予算オーバーする主な原因
注文住宅づくりにおいて、理想の住まいを実現するためにはさまざまなこだわりや要望を詰め込みたくなるものです。しかし、その過程で予算をオーバーしてしまうことがあります。予算オーバーしてしまう主な原因を理解し、リスクを考慮しながら事前にしっかりと計画を立てて、予算を管理することが必要です。
◇優先順位が決まっていない
注文住宅を建てるためには、土地選び、間取り、オプション設備など、さまざまなポイントを考慮しなくてはいけません。自由度が高いのが注文住宅の魅力ですが、優先順位を決めずに理想を追求しすぎると予算オーバーになりやすいので注意が必要です。
また、注文住宅は資金と土地がないと建てられないため、建てる際は予算→土地→建物の順に優先しましょう。優先順位を決めておくと予算オーバーを防げるだけでなく、家族の話し合いもスムーズに進められ、満足度の高い注文住宅を実現できます。
◇費用・ローンについてよく分かっていない
注文住宅にかかる費用や住宅ローンを理解せずに、本体工事費用だけを考えて家を設計してしまうことも、予算オーバーになってしまう原因の1つです。注文住宅の建設する際は、本体工事以外に、付帯工事費用、諸費用、土地がなければ土地代金も必要になります。さらに、住宅ローンを組む場合は、利息、金融機関に支払う手数料、抵当権設定登記にかかわる登録免許税などが発生するのです。
注文住宅にかかる費用を熟知しておくことで、本体工事にかけられる費用が明確になり、住まいの設計もしやすくなります。
◇建てた後の費用を予測できていない
マイホームは一生で最も高額な買い物といっても過言ではありません。住宅ローンの支払いも長期に渡りますが、その間にも出産、子育てなどライフイベントがあり、その都度まとまったお金が必要です。他にも、購入したマイホームは経年劣化するため、定期的なメンテナンスやリフォームにも費用がかかります。住宅ローンの返済が滞ると、せっかく建てた注文住宅は差し押さえられてしまうため、注文住宅を建てた後の費用を予測しておくことも重要です。
家づくりで削っていい箇所とダメな箇所
画像出典先:フォトAC
注文住宅ではデザインを重視されがちですが、快適で安全な住まいを建てることが何よりも大切です。そのため、建築費用を抑えるときは、住まいの快適さと安全が左右されない箇所から削っていきます。
◇削っていい箇所
削っていい主な箇所は、次の5つです。
住宅設備
キッチン、風呂、トイレなどの設備は、メーカー、グレードによって価格が大きく異なります。例えば、システムキッチンは、同じデザインでも天然石を使用すると施工費や搬入費が別途発生するため価格が高くなる場合が多いです。しかし、住宅設備はグレードを下げても生活に支障をきたすことはないので、削っても特に問題はありません。トイレの場合は、オート開閉や自動洗浄装置など、設備に搭載されている機能を減らすことでも、費用を安く抑えられます。
オーダーメイド
住宅メーカーによっては、間取りだけでなく、家具やカーテンなどのオーダーメイドを依頼できます。しかし、オーダーメイドは既製品と比較すると割高です。
壁紙
住まい全体に使用するため、量産されている壁紙を使用することで費用削減に効果的です。
オプション
オプションは、注文住宅をグレードアップするための設備のことで、具体的には宅配ボックス、カーポート、物置などがあります。これらの設備はどれも高額なため、オプションを削るだけでの数十万円以上の費用削減が可能です。
建物の形状
切妻屋根や片流れ屋根などを選択したり、建物の凹凸をなくしたりしてシンプルな形状にすると、建築費を安く抑えられます。
◇削らない方が良い箇所
削らない方が良い主な箇所は、次の3つです。
断熱材
断熱材は外気を遮る働きがあるため、安価な断熱材にすると室内が夏は暑く冬は寒くなりやすくなります。反対に、機能性の高い断熱材を使用すると室内温度を快適に保てるだけでなく、冷暖房効率も良くなり電気代削減にも効果的です。
水回りの設備
水回りの設備は、住まいのなかでも特に劣化しやすい箇所です。できるだけ長持ちさせるために、耐久性に優れた設備を選びましょう。
災害対策
地震の多い日本では、耐震対策が必要不可欠です。費用がかかるからといって、土壌改良や耐震装置にかける費用を削ると大きな地震が発生したときに家が倒壊するおそれがあります。また、住まいが密集した地域は防火性能、雨の多い地域は防水性能というように、地域に応じた災害対策も必要です。
予算オーバーしないためにできること
注文住宅の費用を安くすることは可能ですが、予算内で理想の住まいを形にするためには、いくつかのポイントがあります。予算オーバーしないための重要ポイントは、予算、優先順位、ハウスメーカー・工務店選びの3つです。
◇予算
注文住宅は、建売住宅よりも費用がかかります。どんなに理想の住まいをイメージしても、資金がなければ実現できないため、まずは予算を明確にしておくことが重要です。予算を決めるときのポイントとしては、次のようなものがあります。
頭金と住宅ローンを考慮する
頭金の目安は、注文住宅の総額の20~25%です。注文住宅の総額が4,000万円の場合、800~1,000万円になります。3,000万円(金利1.7%、35年返済)の住宅ローンを組むと、総返済額は3982万円です。
付帯工事や諸費用をしっかりと把握する
注文住宅を建てるためには、本体工事以外に、付帯工事費用、諸費用などが必要です。一般的に、注文住宅の本体工事にかかる費用とその他の費用の割合は7:3くらいになります。
◇優先順位
住まいに対する要望は人それぞれ異なるため、家族全員で話し合いをした際は、緑の多い場所に住みたい、広いリビングがほしい、周辺環境を重視したい、白を貴重にしたデザインがいいなど、さまざまな意見がでてくることでしょう。
住まいへの要望は、大きく分けると「立地・周辺環境」と「間取り・設備」の2つになります。「間取り・設備」は変更が可能なため、注文住宅では「立地・周辺環境」を優先して考えるのが通常です。さらにそれぞれの優先順位を決めることで、削る箇所と削らない箇所の判断がしやすくなります。
◇ハウスメーカー・工務店選び
大手のハウスメーカーは安心感がある一方で、下請け業者に依頼する際に中間マージンが発生したり、広告費用が上乗せされたりするため、建築費用が高くなる傾向があります。
地元の工務店の場合は、建築費用が安くなるだけでなく、自由度が高く、手厚いアフターサービスが受けられる点もメリットです。信頼できる工務店が見つかれば、同じ設計の住まいでも大手ハウスメーカーよりも費用を抑えて建てられるかもしれません。
注文住宅での予算オーバーを避けるためには、優先順位を決め、住宅設備やオプション、壁紙などを検討して削減できる箇所を見極めることが大切です。特に、予算や優先順位決めと、ハウスメーカー・工務店の適切な選択が鍵となります。
予算を明確にし、頭金と住宅ローンを考慮すると共に、付帯工事や諸費用も確実に把握しましょう。家族での優先順位の話し合いを通じて、要望を整理し、住まいのデザインや設備の優先度を明確にすることで、無駄なコストを避けられます。
また、信頼性と費用のバランスを考慮してハウスメーカーや工務店を選ぶことで、予算をオーバーしせず、納得のいく家を建てられるでしょう。