愛知県三河地方の坪単価は、名古屋市を中心にする大都市圏の影響を受けて年々上昇しています。2023年の公示地価によれば、愛知県全体の平均土地価格は1平方メートルあたり約22万3247円で、これを坪単位に換算すると約73万8007円/坪となっています。
注文住宅の土地を選ぶ際は、地盤の状況や過去の災害情報を確認し、安心して住むための土地選びを行いましょう。
目次
愛知県の土地価格の動向と三河地域の主要都市の坪単価
愛知県は、その経済的な重要性や魅力的な生活環境から、不動産市場が注目されている地域の一つです。ここでは、愛知県全体の土地価格の動向と、三河地域内の主要都市における坪単価について詳しく解説します。
◇土地の坪単価と建築費用の坪単価
一般的には、坪単価とは土地1坪あたりの価格をいいます。そして1坪は、約3.3㎡の面積になります。大体、畳の約2畳分に相当します。ですから坪単価が、50万円の土地であれば「50万円/坪」あるいは「50万円/@」といった表記になります。こうした坪単価が使われるのは、土地によって評価価格が様々なので様々な土地の評価価格を坪単位に換算すると比較しやすいからです。
一方、注文住宅などの建築費用の坪単価も不動産取引ではよく使われる用語です。これは、建物の延べ床面積が1坪あたりどのくらいの工事費用になるのかという価格の相場を表す用語になります。したがって建築費用の坪単価が50万円の場合、延べ床面積50坪の建物なら2500万円ということになります。
◇愛知県の土地価格の動向と土地価格変動要因
愛知県は、東京や大阪に次いで名古屋という大都市があるため地価も年々上昇傾向にあります。2023年の調査によると公示地価が平均22万3247円/㎡で、坪単価は平均73万8007円/坪となっています。
しかもこうした公示地価は、47都道府県の中で第5位になります。そして前年に比べて、変動率も+2.60%となっており47都道府県中第7位になります。
この土地価格が上昇傾向にあるのは、名古屋市の中心部分での住宅地の確保ができない分、周辺エリアに拡大していることが愛知県全体の土地価格が年々上昇している要因だと考えられています。
◇三河地域の主要都市の坪単価
名古屋の周辺エリアに住宅地が年々拡大していると申しましたが、具体的に三河地域の主要都市の坪単価についてもご紹介します。
西三河地域 | 東三河地域 | ||
豊田市 | 31万7424円 | 豊川市 | 24万8888円 |
岡崎市 | 37万3441円 | 新庄市 | 10万6468円 |
安城市 | 50万0904円 | 豊橋市 | 35万6355円 |
刈谷市 | 55万6473円 | 設楽町 | 4万0454円 |
知立市 | 47万8971円 |
三河地域の主要都市の坪単価は、名古屋の中心部により近い地域ほど坪単価も高額になっています。例えば名古屋の中心部に近い刈谷市や安城市・知立市は、いずれも50万円前後の坪単価となっています。こうした名古屋市により近い地域ほど坪単価が高いのは、通勤やレジャー・お買い物などで住むのに都合がよいことが大きな理由だといえます。
注文住宅の土地選びのポイントと愛知県の土地選び
注文住宅を建てる際に最も重要な要素の一つは、適切な土地を選ぶことです。土地の選択は、将来の生活や住まいの快適さに大きな影響を与えます。ここでは、注文住宅の土地選びにおける重要なポイントと、愛知県内での土地選びについて詳しく解説します。
◇注文住宅の土地選びのポイント
注文住宅といえば、建売住宅に比べると設計やデザインが自由に選べるという点がメリットとしてあげられます。しかしながら理想のお家を建てるためには、土地選びが重要なポイントとなるのです。
例えば土地が四角形ならば、建物も四角形に建てることができます。ところが都会などには、三角形の建物やコの字型・L字型の建物があります。それは、土地がそのような土地だからに他なりません。
あるいは土地の面積が狭いため、2階どころか3階にまで建物を高くしないと居住空間が確保できない。その上、駐車スペースも確保しづらいので、1階は駐車場というケースもあります。
また、水道や電気などインフラの整備がされていることも重要な土地選びのポイントとなります。例え自然が豊かで土地価格も安いとはいっても水道や電気などのインフラが整備されていないと、そのための工事費用がかなり高額になってしまいます。
あるいは、近年多い地震や土砂崩れのリスクも考慮する必要があります。家のすぐ近くに山があると、土砂崩れが懸念されます。そして、川が氾濫するといったリスクも事前に下調べが必要です。
◇愛知県の土地選びのポイント
すでにご紹介したように名古屋の周辺エリアでは、土地の価格が年々上昇傾向にあります。それは名古屋の中心地域にビジネスや商業施設が集中しているため、周辺エリアに住宅地を確保せざるを得ないからです。
もちろんその他にも愛知県は自動車産業が盛んなので、多くの人が仕事を求めて流入しているといったことも影響しています。
こうしたことから、住宅を建てるための土地価格も上昇せざるを得ないという愛知県独自の事情があります。そこで注文住宅を建てる際には、ご自分の予算を考慮した上でエリアを選択することもポイントの一つとしてあげられます。
また注文住宅を建てる際には、通勤や通学・ショッピングなど交通アクセスを考慮するという点も重要なポイントです。とりわけ愛知県は、経済的な発展が目覚ましいためそれに伴う住宅エリアの開発も進行中です。したがって今後は、多様な選択肢が提供されることが予想されます。
土地選びで注意すべき点とは?
注文住宅の土地を選ぶ際は、長期的な視野で考え、将来の生活や快適さ、投資価値を考慮に入れる必要があります。適切な土地を選ぶためには、以下のポイントに注意することが大切です。
◇災害や法律を考慮する
土地や家を購入するというのは、人生の中で最も高いお買い物です。ですからあとで後悔するといったことがないように、事前に十分な調査が必要です。そこで、土地選びで注意すべき点についてご紹介します。例えば近年多いのが、地震や土砂崩れ・河川の氾濫などによる被害です。
最近の災害で驚いたのは、千葉県の住宅地で河川が氾濫して道路や住宅が水浸しになったというニュースです。地方にはそうした被害が多くありますが、都心に近い地域で河川が氾濫したというのはさすがに驚いてしまいます。そのため過去に災害があったかどうかを事前に調べておくということは大切です。もしも購入する土地が周囲よりも低い地盤の場合には、河川の氾濫や大雨で浸水の被害にあいやすいといえます。
そして例え災害に強い地域であっても、土地さえ購入すればどこでも家を建てられるとは限りません。具体的に申しますと、家が建てられるのは都市計画法により「都市計画区域」と限定されています。さらにその区域の中でも「市街化区域」となっています。
その市街化区域についても、様々な用途の建物が混在しないように「用途地域」も13種類に区分されています。そうした用途地域の中には、工業専用地域もありそこに住居は建てられません。ちなみに用途地域の中でどこに住宅を建てるのが望ましいのかといえば、一般住宅の多い住居専用地域ということになります。
◇土地購入費以外にも諸経費がかかる
土地を購入する際には、土地代以外にも様々な諸経費がかかります。諸経費の中には、固定資産税や不動産取得税・登録免許税・印紙税などの税金です。あるいは水道や電気などインフラを整備するための工事費も必要になります。
その代わりあとあと後悔することがないように、譲ることのできないポイントもある程度踏まえながら土地購入を検討する必要があります。とくに通勤や通学・ショッピングなどは、生活していく上で欠かせないポイントでもあるので重要です。
注文住宅を建てる際には、土地の形状や面積、インフラ整備の有無を考慮することが大切です。理想の家を実現するために、土地選びは重要な要素であり、将来の生活や快適さに影響を与えます。
特に愛知県では、名古屋市を中心に周辺エリアへの住宅地の拡大が進んでおり、土地価格が上昇しています。予算を考慮しつつ、交通アクセスや生活環境に配慮してエリアを選ぶことが必要です。災害リスクや法律にも注意し、過去の災害があったかどうかを調査することも大切です。
また、土地購入費用だけでなく、諸経費にも注意が必要です。固定資産税や不動産取得税、工事費用など、追加の費用を考慮して計画を立てることが賢明です。
愛知県の不動産市場は今後も発展が期待されますが、慎重な土地選びと計画的な購入が成功への近道です。長期的な視野を持ちながら、理想の住まいを実現するために重要なポイントを押さえましょう。