吹き抜けを注文住宅に取り入れる際、窓の位置や種類、照明計画、そしてスキップフロアの活用など、ポイントを押さえることが重要です。また、愛知県の施工事例から具体的な間取りデザインをご紹介し、おしゃれな吹き抜けがどのように住宅に取り入れられるかを探求します。
目次
吹き抜けの効果は?注意点と対策も
吹き抜けは、住宅デザインにおいて魅力的で効果的な要素として取り入れられています。その効果や美しさから多くの人に愛されていますが、注意点と対策も必要です。ここでは、吹き抜けの効果について探求し、同時にその注意点と対策についても解説します。
◇吹き抜けの効果
吹き抜けの最大の効果は、広々とした空間を作り出せることです。吹き抜けにすることで、天井が高くなり、視界が広がります。また、窓からの日光や風が入りやすくなり、明るく清々しい空間になります。吹き抜けは、開放的で快適な住まいを演出します。
吹き抜けのもう一つの効果は、家族のコミュニケーションが円滑になることです。吹き抜けにすることで、1階と2階の間に壁がなくなり、家族の声や顔が見えやすくなります。これにより、家族の距離が縮まり、会話が活発になります。吹き抜けは、家族の絆を深める住まいを実現します。
さらに、吹き抜けにより個性的でおしゃれな空間を実現します。吹き抜けにすることで、空間に動きや変化が生まれます。また、吹き抜けの形や大きさ、素材や色などを工夫することで、デザイン性が高くなります。吹き抜けは、自分らしい住まいを創造します。
◇吹き抜けの注意点と対策
吹き抜けには様々な効果や魅力がある一方で、注意点も存在します。まず、吹き抜けの最大のデメリットは、冷暖房の効果が低下することです。吹き抜けにすることで、空気の流れが変わり、熱が上に逃げやすくなります。これにより、1階は冷えやすく、2階は暑くなりやすくなります。吹き抜けは、エネルギーのロスを招く住まいになります。
この吹き抜けのデメリットを解消するためには、シーリングファンやロールスクリーンなどを設置することが有効です。シーリングファンは、空気の流れを調整して、温度差を緩和します。ロールスクリーンは、吹き抜けの上部に設置して、熱の逃げを防ぎます。これらの対策により、冷暖房の効率を向上させることができます。
また、吹き抜けは、音やニオイが伝わりやすいことにも注意が必要です。吹き抜けにすることで、1階と2階の間に遮るものがなくなり、音やニオイが直接届きます。これにより、プライバシーや快適さが損なわれる場合があります。吹き抜けは、生活音や匂いに敏感な住まいになります。
遮音カーテンや仕切りなどを設けることが有効です。遮音カーテンは、吹き抜けの下部に設置して、音の伝わりを減らします。仕切りは、吹き抜けの一部に設置して、ニオイの拡散を防ぎます。これらの対策により、プライバシーや快適さを保護することができます。
注文住宅で吹き抜けを作るポイント
画像出典先:株式会社sumarch
吹き抜けを設置したおしゃれな注文住宅にする為にはいくつかポイントがあります。ここでは、注文住宅で吹き抜けを作るポイントと、間取りの例をご紹介します。
◇おしゃれな吹き抜けのポイント
おしゃれな吹き抜けを作るポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。
窓の位置と種類に注意する
夏は暑さを遮り、冬は日射を取り入れるように、方位や季節に合わせて窓の配置やガラスの種類を選ぶことが大切です。また、電動カーテンやロールスクリーンなどを設置して、眩しさやプライバシー対策も行うとよいでしょう。
照明の計画をする
吹き抜けの照明は、高い位置にあるため、掃除や取り替えが大変です。そのため、長持ちするLED電球や、リモコンで操作できるシーリングファンなどを利用すると便利です。
また、照明のデザインや色温度も、空間の雰囲気に合わせて選ぶことがポイントです。
スキップフロアで空間を活用する
吹き抜けによって、上階の居住スペースが狭くなるデメリットを解消する方法の一つが、スキップフロアです。スキップフロアとは、一つの階層に複数の高さのフロアを設けた間取りで、吹き抜けの中間に小さな部屋や収納などを作ることができます。スキップフロアは、空間を仕切ることができるだけでなく、吹き抜けと同じく家族の気配を感じやすくする効果もあります。
◇吹き抜けの間取りの例
吹き抜けの間取りの例としては、以下のようなものがあります。
玄関に吹き抜けを設ける
玄関に吹き抜けを設けると、家に入ったときに開放的で明るい印象を与えることができます。
玄関の吹き抜けには、階段や廊下の配置や、壁の色や素材なども工夫するとよいでしょう。
また、玄関の吹き抜けには、シャンデリアや吊り下げ式の照明などを取り付けて、空間に華やかさや高級感を演出することもできます。
リビングに階段と吹き抜けを設けた間取り
この間取りでは、リビングの上部に吹き抜けを持つ設計が採用されています。リビングの中には鉄骨階段と鉄骨の手摺りが配置され、これにより、リビング内に階段があるにもかかわらず、広々とした印象を実現しています。
また、吹き抜けに面した2階通路からは、リビングを見下ろすことができます。ストリップ階段が採用され、吹き抜けの窓から自然光がたっぷりと取り込まれ、階段下まで明るさが広がります。
吹き抜けで「ほぼ平屋」を実現した間取り
吹き抜けを設けることで、法的には2階建てですが、一見すると平屋に見える外観を持つ住まいが実現します。リビング上部が吹き抜けになっており、高い天井が印象的です。吹き抜けには高窓と天窓が設けられ、これらの窓から自然光がたくさん取り込まれます。
リビングとダイニングキッチンには大きな窓を設けず、主に吹き抜けからの光を利用しています。勾配天井の視覚効果により、吹き抜けの高さが一層際立ちます。
ご紹介した例は、吹き抜けを通じて家全体が開放的で明るく、家族や友人とのコミュニケーションを楽しむための魅力的な設計となっています。
愛知の施工事例より吹き抜けのある家をご紹介
愛知県で吹き抜けのある注文住宅の施工事例を4つご紹介します。
吹き抜けの勾配を上手く利用した家
このお住まいは、吹き抜けのあるリビングを中心に、和と洋の要素をミックスしたデザインになっています。小上がりの畳スペースは、くつろぎやお茶の時間に最適です。書斎は、仕事や趣味に集中できる落ち着いた空間になっています。天井には木の梁が見えるデザインになっており、ナチュラルな雰囲気を演出しています。
高い天井が魅力のナチュラルモダンな家
幸田町に建築された、無垢材があふれる店舗併用住宅です。店舗と住宅を一体化した注文住宅で、吹き抜けのあるLDKは、広々とした空間になっています。天井には梁を見せるデザインになっており、白く塗装されてモダンな印象を与えます。吹き抜けの窓からは、自然光がたっぷりと入ります。無垢材をふんだんに使った内装は、温かみと高級感があります。
吹き抜けキャットウォークが印象的な家
このお住まいは、吹き抜けのキャットウォークが印象的な、南欧風の家です。キャットウォークは、2階の寝室と書斎をつなぐ通路になっており、吹き抜けの窓から差し込む光を楽しめます
吹き抜けのあるリビングは、開放感と明るさがあります。壁にはタイルやアートが飾られており、カラフルでおしゃれな雰囲気があります。
吹き抜けで解放感と家族の繋がりを感じる家
このお家の特徴は、ホワイトと優しいブラウンをメインにデザインされており、その結果、かわいらしさの中にも温かみを感じられる外観に仕上げられています。また、吹き抜けの設計においては、温度調整が難しいという課題を解決するために、全館空調が採用され、どこにいても快適な室温を保ちながら、開放感と家族の繋がりを楽しむことができます。
特に、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)エリアでは、大きな窓と吹き抜けから自然光がたっぷりと差し込み、開放的な印象を与えています。この吹き抜けは、2階にいてもリビングの開放感を感じることができるため、家族の繋がりを強調し、室内がより華やかに演出されています。
吹き抜けの効果は、広々とした空間を作り出し、家族のコミュニケーションを促進し、個性的でおしゃれな空間を演出します。しかし、注意点として、冷暖房の効果が低下することや、音やニオイが伝わりやすいことが挙げられます。対策として、シーリングファンやロールスクリーンを設置し、遮音カーテンや仕切りを活用することが有効です。
注文住宅で吹き抜けを作るポイントとして、窓の配置、照明計画、スキップフロアの活用が挙げられます。また、具体的な間取りの例として、玄関に吹き抜けを設けたり、リビングに吹き抜けを持つ設計などがあります。これらの要点を考慮することで、おしゃれで機能的な吹き抜けを取り入れた注文住宅を実現できます。